※本記事は一般的な情報を紹介する制作サンプルであり、個別の法律・福祉相談に代わるものではありません。
親亡き後への備えは、住まい・生活支援・お金・相談先などが絡み合うため、漠然と大きくなりやすいです。しかし、すべてを一度に決める必要はありません。本人の希望を確認し、住まい・生活支援・お金・相談先を整理することから始めます。そして、見学や相談など小さな行動を重ねることが大切です。ひとつひとつの項目を少しずつ具体的にしていく過程が、将来の準備そのものです。
「親亡き後」に家族が感じやすい不安
「親亡き後」について考えるとき、家族の不安は住まい、日常生活の支援、お金や財産管理、相談先など、複数の問題にまたがります。
- 将来どこで暮らすか
- 日常生活を誰が支えるか
- お金や財産をどう管理するか
- 本人や家族の状況に合う支援をどこへ相談するか
この記事では、これらの不安に対して、今からできる準備を、6つの視点から紹介します。
まずは漠然と混乱している将来への不安を、ひとつずつほぐしながら一緒に見てみましょう。
1.本人が望む暮らしを少しずつ確認する
まずは本人の望む暮らしについて、知る必要があります。何を重要に感じているのか、少しずつ探っていきましょう。
障害特性のある方も多いので、本人の得意・苦手、安心できる環境を見極めるのは大事です。言葉でやり取りできる場合でも、将来のことがイメージしにくいお子さんもいるでしょうから、小さな質問を重ねて、本人の得意なこと苦手なことは何か、安心できる環境はどんなところなのか少しずつ探っていきましょう。
また意思を伝えることが難しいお子さんの場合は、本人の意思を言葉だけでなく表情や行動も手がかりにし、本人をよく知る家族や支援者と共有しながら、決めつけずに確認することも大切です。安定していたときの状況がどんな風だったか、嬉しそうなときは何をしているときだったか、小さな記録を細かくつけておくと、将来整えていく暮らしのイメージが見えてきます。
「親亡き後」も生活の主体は本人です。家族の希望だけで将来像を決めないことが大事です。本人の希望を確認しながら考えることで、よりその人らしい暮らしにつながります。
2.親亡き後の住まいを考える|グループホームや一人暮らし
暮らしのイメージが見えてきたら、住まいの様子をより具体的に検討してみます。
「住まい方にはいくつかの選択肢があります。家族との同居、一人暮らし、グループホームなど、選ぶ条件によって住まいの状況が大きく変わる場合があります。
今すぐに選択するのは難しいと感じるかたも、見学や体験利用から始めてみることをお勧めします。決定は先送りにしても大丈夫です。まずは情報を集めること、実際に行ってみることから始めてください。そのときの本人の様子をしっかり観察して、難しいと感じたところ、安心できたところをきちんと拾い上げていきましょう。
この際に気をつけたいことは、グループホームと一人暮らしを単純な二択にしないことです。選べる選択肢にはグラデーションがあるはずですので、ここまでならできる、ここからは支援をお願いしたいというようなラインの確認こそが、住まいを考えるうえで大事なポイントです。
3.日常生活に必要な支援を整理する
どのような支援を継続するべきか、頼れるサービスとつながっているか、確認していきましょう。
食事はひとりでできますか、服薬している薬の管理はできますか、通院はどのようにおこなっていますか、金銭の管理ができますか、外出はだれとおこなっていますか、車いすなどの補助具が必要ですか、緊急時の連絡先や対応体制は整っていますか。確認したいポイントはいくつもあります。
こうしたことについて、現在家族が担っていることを可視化することが大事です。どんなとき、なにを、だれが、どのように対応しているか、内容をまずは具体的に整理していきましょう。
その上で、利用できるサービスを選んだり、利用につなげたりしていきます。利用できるサービスは本人の状況や自治体によって異なりますので、お住まいの地域の自治体の障害福祉窓口や相談支援事業所に問い合わせる必要があります。
日常時だけでなく、緊急時やサービスがお休みのときなどの対応についても、考えてみましょう。「親亡き後」は、おおよその見当はついても、いつくるかわからない事態です。また災害などの非常時への備えは、保護者の有無にかかわらず必要な備えです。
注意したいのが、家族が無意識に担っている支援も整理することです。例えば、 本人が使い慣れた介護用品を選ぶことや好きな番組を選んで見せるなどといった行為は、つい見過ごしがちですが、スムーズな支援に必要な情報でもあります。忘れずに確認項目に追加しましょう。
4.親亡き後のお金・相続・財産管理について相談する
将来の暮らしを考えるうえで、お金や財産管理も大切な項目です。うやむやにせず、可能な限り具体的に準備すれば安心も増えます。
まず手始めに、収入・支出・公的給付・財産を整理しましょう。こちらも一気にやろうとすると負担が大きいので、日々の家計の整理の際に、項目を分けたり、必要書類を整理するなどしながら、可能であれば一覧表などを毎回更新して管理するとよいでしょう。
財産の残し方には、遺言、相続、信託、生命保険など複数の方法があります。適した方法は家族構成や財産状況によって異なるため、法律の専門家へ相談しましょう。
成年後見制度も、財産管理を支える選択肢の一つです。成年後見制度は、判断能力が十分でない人を法律面で支える制度ですが、類型や手続きがあるため、制度の特徴や利用後の影響も確認し、自治体の窓口や法律の専門家へ相談しながら検討しましょう。成年後見制度だけでは、問題がすべて解決するわけではないので、周辺の条件や状況を明らかにしておくことは大切です。
様々なサービスや制度の選択や利用の可否を決めるには、専門的な知識も必要になってきますので、信頼できる専門家に相談できると安心です。本人の状況に応じて専門家へ相談しましょう
5.親亡き後に頼れる相談先や支援者を増やす
「親亡き後」のことゆえ、「家族が元気なうちから」家族以外の支援者を増やしておきましょう。
相談できる窓口には、相談支援専門員、自治体の障害福祉窓口、基幹相談支援センター、地域生活支援拠点、福祉・法律の専門家などがあります。
また現在支援を受けているサービスやスタッフとのつながりも大事にしましょう。環境の変化に敏感な方もいるので、「親亡き後」も継続して同じような支援を受けられるようにするため、必要な支援内容を引き継げるよう、普段からスタッフと情報を共有しておきましょう。保護者の方からも力添えをしておくと、いざというときのための練習にもなります。
このうち地域生活支援拠点等は、「親亡き後」や緊急時を見据えて地域生活を支える体制として整備されています。なるべく早いうちから情報共有と対話を重ねることが、その後のスムーズな支援につながります。
最初の相談先が分からない場合は、自治体窓口に不安を感じていることを相談することから始めても問題ありません。必要に応じて、適切な窓口や支援機関につないでもらえる場合があります。
6.必要な情報を整理し、引き継げるようにする
必要な情報はノートやファイル、専用のケースにまとめておきいつでも引き継げるようにしておきましょう。普段から、一か所に集めて整理しておくと、いざというときに迷いません。
まとめておきたい情報としては、本人の希望、生活習慣・健康状態、利用中のサービス、緊急連絡先、大切にしてほしいことなどです。それに加えて、保険や財産の情報、支援先の情報なども一か所にまとめておくと、後々困らずに済みます。
情報は定期的に見返して新しい情報に更新していきましょう。
情報の種類に応じて保管方法を分け、誰にどこまで共有するかも決めておきましょう。原本や暗証番号などの重要情報は、安全な場所で管理する必要があります。
すべてを一度に決めなくてもよい
確認しておきたいことはたくさんありますが、大きな決断をすぐにする必要はありません。小さな確認、見学、相談を重ねることも準備になります。一気にすべての準備を整えようとせず、いつかそういう日が来るということを心に置いて、日々の暮らしを整えていくことが最も大事な作業です。必要以上に焦ることなく、今このときを充実した日々にすることがなにより必要なことです。
まとめ|家族だけで抱え込まず、地域の窓口へ相談を
この記事では、障害のある子どもの「親亡き後」に備えるために家族で早めに整理したい6つのことを紹介しました。
必要以上に慌てることなく、日々の暮らしを整えながら、いつか来る日のために備えていくことで、今日を安心してなるべく楽しく過ごせるようになります。
制度や利用条件は地域・個別事情で異なります。必ずお住まいの自治体や専門家へ相談してください。障害福祉サービスは、本人の状況や居住環境などを踏まえて個別に支給決定されます。
よくある質問
- 親亡き後の準備はいつから始めればよいですか?
気になったときから始められます。大きな決断ではなく、日々の暮らしや必要な情報を整理することも準備の一つです。
- 最初にどこへ相談すればよいですか?
お住まいの自治体の障害福祉窓口へ相談することから始められます。必要に応じて、相談支援事業所などを案内してもらえる場合があります。
- グループホームは体験利用できますか?
見学や体験利用の可否、条件は事業所によって異なります。各事業所や自治体の窓口へ確認してください。
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